卵巣機能と高齢出産

日本では2006年に長野県の諏訪マタニティークリニックで61歳女性の出産がありましたが、これが最高齢です。この61歳の女性は、娘夫婦の受精卵を60歳で子宮に移して、61歳で出産しました。つまり代理出産でした。世界の最高齢はインドで2008年に70歳の女性が出産しています。この事例は、精子と卵子の提供を受けて、体外受精をして出産しました。

日本でも働く女性の増加により晩婚化が進み、高齢出産は増加

35才以上の出産を高齢出産といいますが2008年は22万8468人でした。それが、2011年は25万9523人と増加しています。2017年のデータを見ると、27万551人とさらに増えています。「45~49歳」は1,450人、「50歳以上」は62人でした。「45~49歳」の出生数は、ここ数年増え続けています。2017年の出産数は全体で94万6千人であり、45歳以上の出産の比率は0.16%にあたります。妊娠出産は医学的にも20代から30代前半までが理想とされています。35才を過ぎると妊娠そのものが難しくなるうえに、卵子の老化現象が心配されます。卵子は年をとるにつれて老化し、35才ごろから老化が始まるのです。38才前後でそれが加速し、40代以降は、排卵そのものが不規則になるうえ、卵子の老化で受精も難しくなっています。受精しても着床して妊娠までむかう可能性がかなり低くなります。閉経の平均年齢が50才から51才です。つまり40~50代で自然に妊娠して出産するのはかなり難しいことなのです。

高齢出産は出生前診断を

それでも40才を過ぎて自然妊娠する人がいるのは、一般の人より老化の速度がかなり遅いという個体差の問題となります。アメリカのハーバード大学医学部の研究では100歳以上の高齢女性の出産記録を調査すると、40代で妊娠出産した人が、多かったそうです。長寿の人は老化も遅いので40代での出産が可能だったのです。高齢出産は、染色体異常の発生率が高くなり、流産率も高くなります。子宮筋腫や子宮内膜症などがある場合も危険度が増します。そして、産後の育児もたいへんです。母乳の出が悪いために母乳育児ができない事例も増えます。子育てそのものを遂行する体力も不足します。

新型の出生前診断は妊婦の血液で胎児がダウン症かどうかわかる

妊婦の血液で、胎児がダウン症かどうかがほぼ確実にわかる新型の出生前診断を、国立成育医療研究センターなど5施設が9月に導入します。羊水検査に比べ5週以上早い、妊娠初期(10週前後)に行うことができるそうです。妊婦の腹部に針を刺して羊水を採取する従来の検査に比べ格段に安全で簡単にできる一方、異常が見つかれば人工妊娠中絶にもつながると論議を呼んでいます。高齢出産はいろいろなリスクがあるのです。子宝を望む女性は、思い立ったら即刻、妊娠出産をめざして励むことが最善といえそうです。

高齢出産での胎児と母体のリスク

高齢出産で心配されるのは、流産、ダウン症、妊娠高血圧などの発症が高くなる点です。ダウン症とは21トリソミーともよばれ、受精卵の細胞分裂の際に複製ミスをおこし、21番目の染色体が三本になって、発生します。本来二本であるべきものが三本になることで、身体、精神、言語能力の遅れが生じ、心臓や肛門の奇形、甲状腺機能異常、難聴などの合併が多いのですが、その症状には個人差が多いです。その他、13トリソミー、18トリソミーもありますがダウン症と同様の合併症があります。原因も同じ仕組みです。水頭症や眼球形成不全などがみられます。こちらは一年以内に九割が亡くなります。

高齢出産の問題点

これらは数千人に一人の発生ですが、母体年齢が高齢になるほど発生は増えます。高齢出産は妊娠に伴うさまざまな合併症が増えるというリスクもあります。妊娠高血圧症は、むかしから妊娠中毒症と呼ばれていました。むくみやたんぱく尿が出てきます。腎不全になってしまう事例もあります。胎盤早期剥離による大量出血などの母子双方をおびやかす危険な合併症があります。早産や死産も増えます。妊娠糖尿病は、妊娠中期から高血糖が持続して、妊娠高血圧症をひきおこします。高血糖が治らず、糖尿病になってしまう事例もあります。胎児の先天異常や早産、巨大児になり帝王切開となるリスクも上昇します。リスクを少しでも下げるには、高齢出産は避けるほうがいいのです。女性が安心して子供を産み、育てていける社会環境を整えるということも重要です。日本国民の賃金が上がり、子育ての不安が解消されることが先決です。増税よりも減税を進め、公共事業を増やしてGDPを引き上げれば平均年収が増えるので子供を産み育てる家庭がもっと増加します。子育て期間は所得税などを無税にするなどの思い切った対策があれば、少子化は解消することでしょう。そして、消費税の増税は少子化を促進するので絶対にしてはいけないのです。

高齢出産
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男性と女性それぞれの心理と欲求